理事長所信

(社)池田青年会議所
第50代理事長 佐野 智宏

<はじめに>
2011年3月11日、東日本大震災が引き起こした未曾有の災害を私たち日本人は決して忘れることはないでしょう。地震や津波によって多くの地域が甚大な被害を受け、多くの同胞を失い、福島の原発事故による放射能汚染は国民の生活を脅かし、そして経済に深刻なダメージを与えました。これから被災地の復興にはあと10年いや20年かかるかもしれないと言われています。池田JCとしても被災地LOMの支援を中心に、今後も継続して震災復興支援に関わってまいりたいと考えます。
さて、震災直後あれだけの災害が起きたにもかかわらず暴動が起きることはありませんでした。また略奪や支援物資の奪い合いもほとんどなく、日本人の秩序の正しさや忍耐力が海外メディアから高く評価されました。被災者同士が支え合い助け合う姿に感動し、人とひとのつながりや絆が大事で、あらゆる力の源なのだと気づきを得た人は少なくないと思います。しかし一方で政治や経済、社会のニュースに目を向けると、震災復興のために一致団結するどころか各々の既得権益を守るために、日本の未来を蔑ろにするような心のない行動が目立ち、そこに自分さえという考え方を垣間見たのは私だけではなかったはずです。そして改めて、大人が本気で公のために行動することの重要性を感じたのです。
「世のため」「他人のため」という言葉がきれいごととされがちなこの社会で、今こそ私たちJAYCEEが胸をはってその尊さを伝えることが必要ではないでしょうか。社会の中心にある「心」を大事に、公のために考え行動する。そんな大人たちが増えて力を合わせることができたなら、JCが理念とする「明るい豊かな社会」の実現に繋がるはずです。
本年度は「夢と希望あふれる池田の創造 ~出会いからはじまる心の絆~」をスローガンに、池田JCメンバーのひとやまちを愛する熱き想いを結集して多くの出会いを創出し、思いやり溢れる人々の豊かな心がつながった、夢と希望あふれる池田を創造してまいります。

<公益社団法人格の取得に向けて>
2012年、池田JCは公益社団法人格取得に向けて新たな一歩を踏み出します。池田JCの活動を制限することなく、内閣府公益認定等委員会が示した公益認定等ガイドラインをクリアできる体制を整えて、いよいよ公益社団法人への移行を大阪府へ申請いたします。そして「誰からも認められる」新しい法人へと進化するために、定款や運営規定の改正に取り組み、新会計基準に則った会計を実施し、あらゆる角度からLOMの運営方法を見直し、より一層公益性を重視した事業を実施できるよう改革を進めてまいります。
LOMの運営については、厳しい経済情勢が続く中、メンバー一人ひとりが仕事、家庭とのバランスを大事にしながら、時にはそれらに負担をかけてJC活動に参加しています。そのことを認識し、メンバーの貴重な時間を出来る限り公益活動に使えるような運営を心掛けてまいります。

<組織の未来をかけた会員拡大>
諸先輩方が志とプライドを持って、どのような状況下においてもJC運動を続けてこられたように、景気が悪いからJC運動を控えめにするのではなく、このように厳しい時代だからこそ私たちJAYCEEが率先して力を発揮していかなければならないと考えます。そのためにも、会員の減少に歯止めをかけなければなりません。本年、拡大がうまくいかなければ、池田JCのメンバー数はついに40名を切り、会費の減少にともない制限されたJC活動を余儀なくされます。
今一度、青年会議所の存在意義を再確認し、メンバー一人ひとりが意識してとにかく多くの同年代の青年たちと出会い、地域や子どもたちの未来について語り合い、そしてJCのことを熱く伝えることが必要ではないでしょうか。出会いから得られることが絶対にあるはずです。また、定例会や各種会議、懇親会などすべてを会員拡大のための情報共有の場として活用し、池田JCのプライドをかけてメンバー全員で会員拡大に取り組んでまいります。

<誰からも認められる組織として進化するために>
オピニオンリーダーとして地域社会の発展のために活躍されている多くの先輩たちが、私たちメンバーのお手本でありプライドとなっているように、メンバーがいつもまちづくりに一生懸命な「かっこいい大人」の見本として、地域活動へ積極的に参加し活動することで、市民のJCに対する評価も変わってくるのではないでしょうか。さまざまな場面で、地域の問題解決のため一生懸命に行動する姿が地域住民の心に響けば、私たちの言葉にリアリティと説得力がつき、JCが言うことなら間違いないという信頼につながると考えます。
また、あらゆる場面でJC活動を通して培ったリーダーシップやまちづくりのコーディネーターとしての力を発揮することができれば、おのずと市民から頼りにされて、誰からも認められる組織に近づくのではないでしょうか。様々な研修を通じてJAYCEEとしてスキルアップを図るとともにまちづくりのコーディネーターとしての力を培ってまいります。

<夢と希望あふれる池田の創造>
 震災後、エネルギー問題等により生活の価値観にさまざまな変化が見られたように、今後、新たな地域社会の姿が求められているように思います。「これからどんな地域を築いていくべきなのだろうか」。池田JCとしても震災前後で変化する価値観に注目し、地域経済の発展を視野に入れながら、まちのビジョンを描き、地域で出会う多くの方々へ池田JCが考えるまちづくりを提案することや、池田JCの行っている取り組みを発表する機会を創出し、人々の心に大きなウェーブを起こしていくことが私たちJAYCEEに求められているのではないでしょうか。そして地域の方々に自分たちの住むまちのことについて、もっと多くのことを知っていただき、夢や希望にあふれる池田を創造するために、メンバーとともにまちづくりを考え行動する機会を創出し、自分たちのまちは自分たちで創ることの大切さを啓発していきたいと考えます。
私たちすべての大人の願いは「すべての子どもの幸せ」ではないでしょうか。「幸せ」という定義は人それぞれに異なるものかもしれませんが、子どもたちが溢れるほどの夢や希望を抱き、多くの友人たちとどんな困難にも負けずに力強く生きていく姿を誰もが望んでいるはずです。夢や希望をなくしていたり、自信をなくしている子どもがいるとしたら、与えられることが当たり前で感謝することができなかったり、命の大切さに気づかない子どもがいるとしたら、それは私たち大人にも責任があると考えます。あらためて、子どもの「幸せ」について考える機会を創出してまいります。また次代を担う子どもたちには生きる力を育むことを目的として人とひとの心のふれあいを通じて、出会いと絆の大切さを感じてもらい、こころの豊かさを育んでもらえるような機会を創出してまいります。
さらにJCだけで事業を行うのではなく、行政・学校・各種団体などの池田のまちにかかわる多くの人々と出会い、共に連携して事業を展開すること¬¬¬¬で相乗効果を生みだし、絆を築いていきたいと考えます。

<ファンづくりを意識したブランディング活動>
池田JCは2年前より組織の存在意義を高めるために、ブランディングという概念を取り入れ、池田JCの認知度アップやファンづくりに向けた活動を行ってきました。また、「明るい豊かな社会」の実現のために、池田JCと協力し必要な活動を行うことを目的として池田JCサポーターズクラブを設立いたしました。本年も従来の広報活動に加え、多くの市民からの支持が得られるように、「池田JCは誰のための組織なのか」「池田JCはどのような活動をしているのか」「どのようなビジョンを描いているのか」ということを、ストーリー性を持たせて分かりやすく伝えていくことが必要であると考えます。さらにフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用して、多くの出会いを創出し、池田JCの活動を発信してまいります。そしてJC運動に賛同・参画していただける方を一人でも多く池田JCサポーターズクラブに入会していただくよう呼びかけてまいります。

<創立50周年を一年後に控えて>
1963年の創設から来年度、池田JCは創立50周年という大きな節目の年を迎えます。その節目の年を一年後に控え、創立50周年へ向けてのビジョン並びに中長期のビジョンについて、池田JCの歴史を顧みながら担当委員会を中心にメンバー全員で考えます。池田JCの活動の方向性をメンバーが共有し、JC運動を展開していくことで次年度へ向けてさらなる団結力を築いてまいります。
そして、これからも地域から必要とされる団体でありつづけるために、地域社会が抱える諸問題を解決するためにはJCとしていったい何ができるのか、どのように関わっていくべきなのかメンバーの意見を集約し、次年度に引き継ぎたいと考えます。

<さいごに>
昨年の震災の影響で、日本を取り巻く危機的な状況の中、私は「必ず日本は復活する」という希望を持ちました。それは、これまで幾度となく自然大災害に見舞われた時や、敗戦により国土が荒廃した時に、志高い先人達が英知と勇気と情熱を持って、逆境に立ち向かい国を再建してくれたという歴史があるということ。人とひとが支え合うことで団結力というさらなる力を引き出し、あらゆる苦難を乗り越えてきたという事実があるからに他なりません。
今はまだ、これから先どうなるのかわからないというような閉塞感がただよっているのかもしれません。しかし今度は私たち青年が生まれ来る子どもたちのために、「わくわくする時代」を残してあげる番ではないでしょうか。私たちJAYCEEができることはまだまだたくさんあります。今こそ池田JCの団結力を発揮し、新時代を切り拓いていこうではありませんか。

2012年2月

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