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理事長所信


一般社団法人池田青年会議所

第58代理事長 原田 孝治

はじめに

1949年、戦後焼け野原から「新日本の再建は我々青年の仕事である」と立ち上がり、作り上げたのが東京青年商工会議所であり、日本の青年会議所運動の原点です。この青年たちの如き熱き想いが、日本の復興を成し遂げたばかりか、わずか20年で新幹線を走らせ、オリンピックを開催するまでに至ったのです。そして、彼ら青年たちの創始の精神は全国へと広がり、この池田の地にも1963年4月、240番目のLOMとして池田青年会議所が誕生しました。その設立趣意書の最後には、こうあります。「人間と人間の結びつきが、一都市から国家へさらに全世界へと育成される事実こそ我々が望む理想世界の姿で有ります」と。昭和から平成、そして令和と57年を経てなお、我々はその理想を追い求めます。 本年は56年ぶりに東京でオリンピック・パラリンピック競技大会という大きなイベントが開催されるのを控え、我々の暮らしは、仮想通貨やキャッシュレス決済、自動運転の普及など、AIの発達により便利になり、社会をとりまく環境が大きく変わろうとしています。一方で、今ある職業の半数がAIにとって代わられるという研究もあります。また、少子化も進み、団塊世代が80代、団塊ジュニア世代が50代を迎える5080問題といった介護の問題も大きくなるなど、多くの人が将来に不安を抱く時代でもあります。 そうした時代の中において、先を見据えて様々な不安を解消し、未来を切り拓いていくのが我々青年の担いであり、人間らしく、親が子を想い子が親を想う、そして人とひとのつながりを大切にする社会を構築していかなければなりません。核家族化が進行し、近隣同士の触れ合いが減少する中においても、今なお通学路には子供たちの笑い声が響いています。子供たちの溢れる笑顔をさらに地域に広め、我々が率先して笑顔で想いを届けることが「明るい豊かな社会」の実現につながると考えます。 本年度は「笑門来人~笑顔あふれる池田の創造~」をスローガンとし、JAYCEEとしての誇りをもち、絆を大切にし、笑顔あふれる池田のまちを創造してまいります。

笑顔あふれるひとづくり

「幸せな子」を育てるのではなく、どんな境遇におかれても「幸せになれる子」を育てたい。上皇后陛下のお言葉です。このお言葉を初めて聞いた時、私は非常に感銘を受けました。しかし、どうすれば幸せになれるか、その答えはすぐに見出せませんでした。やがてJC活動を通して真意が理解できるようになりました。導いた答えは押し付けではなく主体的にとらえること、すなわち自ら考え行動する力を育むことです。文部科学省の学習指導要領も2020年からは大きく変わり、カリキュラム教育と合わせてこうしたアクティブ・ラーニングが重視されるようになります。 自ら行動を起こすうえで欠かせないのが、人とのコミュニケーションです。様々な能力を身に着けたとしても人は一人では生きていけません。そのコミュニケーションに必要で、自らが置かれた状況で最大限に能力を発揮するために不可欠なのが表現力です。その表現力を磨くためには大人が意識しなければ子供たちが習得するのは困難ではないでしょうか。まずは嬉しかったり楽しかったり。あるいは辛かったり、悲しかったり。そして思ったことや考え方を言葉や身体で表現する。豊かな表現力は国境を越え、また大人になっても重宝される大切な宝です。2025大阪・関西万博をはじめ、これからの世界都市大阪の未来を担うべく、表現力豊かで幸せになれる子供たちを育んでまいります。

世界とつながるまちづくり

世界規模の課題と聞いて何か思い浮かべることは容易いことでしょう。貧困、地球温暖化、海洋ごみなど、メディアを通して、我々は様々な課題を認識しています。しかし、この池田も世界の一部であることを忘れてはいけません。緑豊かな五月山や清流の猪名川などの恵まれた環境も昨今は大規模災害が頻発し、人工林が放置されごみの不法投棄がされるなど、自然環境を後世に残すには課題を抱えています。また誰もが健康で長生きするために必要な取り組みや急増する外国人との相互理解に向けてなど、課題は山積しています。 こうした様々な課題に対し、漠然と取り組むのではなく、17に分類し具体的な目標を設定した上で2030年までに達成しようというのが、国際連合が掲げた「持続可能な開発目標」いわゆるSDGsです。我々池田JCにとっても世界と想いを共有しながら、地域に根差した活動を展開するまたとないチャンスがそこにあります。 しかし、この取り組みを行っている企業や団体はまだまだ少ないのが現実です。我々にできることは、この取り組みを地域へ発信し認知度を上げることです。さらにSDGsをより多くの市民に推進するために、池田でも企業活動だけでなく、個人や地域でも運動に取り組むことができるということを実感していただくよう取り組んでまいります。そして、持続可能で、笑顔あふれる社会を実現するために、次世代への推進、達成に向けたプロジェクトを我々も地域と協働で進めてまいります。

参加したくなる組織づくり

数は力です。我々の運動は、明るい豊かな社会の実現を理想としています。しかしながら誰しもたった一人で何ら成し遂げることはできません。そこには想いを共有する仲間が欠かせないのです。創立以来、最長の継続事業が会員拡大です。我々の組織が拡大しなければ、我々の運動が掲げる目標の実現は望めません。会員拡大とはそれほど重要で、また同時に難しいものでもあります。40歳で卒業というルールの中で、絶えず拡大は続けなければなりません。人を動かすために大前提として必要なものは自ら湧き出る熱き魂です。この熱き魂とあわせて今まで蓄積したノウハウを最大限活かし、多くの青年とともにJC運動を展開できるよう時代の変化に対応しながら会員拡大に取り組んでまいります。 また会員自らの資質の向上も欠かせません。入会した後に組織がもたらす成長の機会を通してよりよい人材を育まなければ、最終的には明るい豊かな社会の実現につながりません。ここ数年で年齢構成も大きく変わり、入会歴の浅いメンバーが増える中で、改めてJAYCEEとしての気概を持ち、変革の能動者たる青年として全メンバーがJCの基礎や意義を理解し、伝統を連綿と紡いでいけるよう、会員の資質向上にむけても様々な仕掛けを作ってまいります。

さらに魅力あふれる組織になるために

我々が地域のオピニオンリーダーとしての自負心をもつ根拠として、何事にも真摯に徹底した議論を行ってきた点があります。しかしながら昨今の議論の中で、建設的な議論もある一方で、ただ漫然と議論がされているという場面があるのも現実です。青年会議所は名前の通り、会議に始まり会議に終わる会議運営を学ぶ組織でもあります。会員の会費を適切に支出するため、定款・規定に基づき徹底して議論を重ねる必要があります。闊達な議論が生まれるよう、制度を構築してまいります。 一方で、昨年4月、わが国では働き方改革が始まりました。大きな軸は労働生産性の向上です。池田JCにおいても同じように働き方改革が求められています。定款・規定を遵守しながら実効性を高める方策を進めてまいります。 また、長きに渡り、紙媒体からWEBやSNS、様々な手法を用いて発信を続けてまいりましたが、池田JCの存在を全く認知していない方もいらっしゃいます。さらに多くの皆様に我々の運動に理解を深めていただくことが必要です。機会あるごとに魅力ある内容で効果的に発信し続けることでようやく認知度が向上します。池田JCが地域にとってかけがえのない団体であることを認識していただけるようデジタルやアナログ、様々なツールを精査しながら、横断的に収集、分析、発信を繰り返し手法を確立してまいります。

結びに

「胆大心小」かの小林一三翁の座右の銘です。行動は大胆に、細やかな心遣いを忘れず、大胆かつ繊細に。一見矛盾するように感じるこの言葉。しかし、青年の長所は勢いであり、日本人の長所は「おもてなし」に代表されるように細やかな気配りです。まさしく我々のあるべき姿がそこにあります。JC活動や仕事、家庭、すべてにおいてこの想いをもって動いてみませんか。そしてこの池田を笑顔あふれるまちにしましょう。まずは自分たちから笑顔あふれる団体にしましょう。自分自身を成長させる機会として改めて今年のJC活動に参加してみてください。青年会議所運動は人間の器を広げる絶好の機会です。 もうだめかもしれない。そう思ったとき、答えはJCの中にあります。そこに仲間がいるからです。私も入会当初は漠然とした不安を抱えた一青年でした。JCの活動を通してかけがえのない仲間や尊敬する先輩、守るべき後輩ができ、自分自身にそして社会に、希望を見出すことができました。笑った分だけ元気になって、流した汗と涙の分だけ成長できる、それがJCです。
 共に笑い共に泣き、一年間駆け抜けよう。迷っていても始まらない、今一瞬に全力で。

一般社団法人池田青年会議所 第58代理事長 原田 孝治